今年も恒例の新年初稽古を敢行致しました。
例年よりも人数は少なかったですが、主力黒帯が集まり、内容の濃い稽古で新年の出発ができました
今年の目標を各自が述べ、新たな気持ちで空手に対する思いを各自が刻みました。
終了後は盒局愎揺長と麻衣子が作ったおせち料理とお雑煮、お汁粉を食べながら、時間の許せる限り
様々な懇談を致しました。
やはり一番の話題はRIZINで行われたメイウェザー対那須川天心の闘いです。
WEB上様々な憶測を呼び、いろんな意見が飛び交った世紀の一戦でしたが、蓋を開ければメイウェザーの圧勝で終わりました。予想されていたとは言うものの、余りに差のある闘いに多くの人が後味の悪さを感じたみたいです。うちの師範代からも、テレビアナウンサーが奇跡を起こすとか神童世界を倒すなどと煽っておきながら、結果見たらこの試合はやって良かったのでしょうかなどといけしゃあしゃあと解説している姿に幻滅を感じたようです。「これはエキシビションだ」と言い切りもし蹴りを出したら5億円の違約金と言うような何重にも逃げ道を作って10億円を稼いだメイウェザーもさることながら、散々事前に煽りまくって、最後は「この試合は間違っていた」などとほざく格闘解説者に違和感を感じたのは皆同じでした。
振り返り、那須川天心選手とは不思議な縁を感じていました。
彼が小学生の時、うちの連盟の大会に参加してくれて、当時の佐藤 天君と闘ったのを、当時の運営役員が覚えていたり、一昨年は中村一愛がテレビ企画でスパーリングをしてもらったり、西島洋介さんが
トレーナーを務めたキックボクサーの人がテッペンジムで練習をしていたり、間接的には雷門でキックの試合を組んでもらったり、試合会場では近くで見ていただけに、奇跡が起きることを期待していたことは否めません。奇跡はそう簡単には起こらないことを証明してしまいました。
天心選手の勇気とチャレンジ精神は、うちの若い子にも必ず勇気と希望を与えてくれると思っています、世界と日本の差がこれほどあるのかと、思うきっかけともなりました。
天心選手の勇気ある挑戦を無駄にしないためにも、
今回の敗戦をしっかり心に刻み、試合の参考に繋げていきたいと思いました。

数年前、西島洋介という世界の頂点に立ったボクサーが、格闘技に挑戦しました。
結果はK-1全敗 プライドでの総合格闘技でも勝てませんでした。
西島さんは「ボクシングルールで闘ったなら勝つのがあたりまえ」と考え敢えて相手の土俵に上がりました、ピーターアーツの蹴りを足にもらい動けなくなった彼に、当時のプロデューサーは「K-1を勉強してほしい」と発言しボクシングだけなら弱いと言うような表現をしました。K-1こそ最強と。

今回メイウェザーは全てにおいて、戦いをリードしていました。
「ボクシング以外のルールで戦うわけがない」「俺の言うとおりに試合を組め」
ギリギリまで来るかどうかもわからないような、誘導作戦を敢行し、会場に来たなら興行は成功だというような雰囲気の中試合が始まりました、ろくにウォーミングアップもせず、汗もかかないなか、
マウスピースすら試合で使う大きなものではない薄く透明なものを形だけはめ、素人のような両手を挙げるガードからボディとテンプルへのコンビネーションとノーモーションからのストレートだけで
試合を終わらせてしまいました、渡されたトロフィーを露骨にこんなものいるかという顔をして
天心にプレゼントするという敗者に対する屈辱的な行動、まさにやりたい放題でした。

尊敬する倉本成春師範は最強とは、との質問に「その時のその分野のチャンピオン」と話されました。
大好きな友人だから言うわけではありませんが、西島さんもWBF世界クルーザー級チャンピオンの西島洋介で人を呼んだのだからボクシングで闘えば結果はどうなったかわかりません。

今回のメイウェザー対那須川天心の闘いを西島さんに聞いたとき、「まずは体重の差、そしてキャリアの違い、最後はやはりルール」と言われメイウェザーの一ラウンドKOを予想してくれました。
「奇跡は起こるべき条件が万が一にも起こらなければ起きない」
「バレーボールとバスケットボールは似ていても全く違う競技」
それらを考量して、今回の天心選手の戦いは大健闘だったと結論致しました。IMG_2532