1798da76.jpg昨週はお休みであったので、2週間ぶりの師範稽古 お元気な赤松師範のお顔を
拝見すると様々な思いが交差する 赤松師範は人に対して怒りの感情をお持ちにならない
かつて親友の電気屋の保証人になり数千万円の借金を負いながらも、その友人を許している
そして貧乏空手家に出会ってしまい、今だにご苦労を、している。
師範がいなければ松栄塾はとっくに消滅していたと思う 申し訳ない気持ちと感謝の気持ちで
一杯だ。
 今、呼んでいる柳生宗矩(山岡壮八歴史文庫)の中にいかなる敵にも怒りの気持ちを
持たない徳川家康の姿が描写されている 歴史に残る天下分け目の決戦 関ヶ原で敗走した
敵将 石田三成が死ぬ間際まで悪たれをつき、家康を貶す中、最大の礼と徳を尽くす

感銘した場面は最後の最後まで、往生際の悪い石田知部に柳生の忍びを使い武士としての心を
作らせるシーン 最低の醜態を晒す石田の元に国元の百姓に扮した忍びのやっさが柿を届ける

「首領様 この世のお別れに大好物の柿を召し上がってくださいませ」

わざわざ、国から柿を運んでくれる百姓に出会い石田の心は変わっていく

「そこもと、わざわざ、わしのために柿を持ってきてくれたのか」

「かたじけない かたじけないぞ」泣きながら柿を受け取る敗軍の将

戦乱の中で一番、不幸な思いをしたのは、農民、百姓であると言うことを、家康は
三成に教えたかったのだ 戦乱で犠牲になるのは民 百姓 その為にも治世の世を作らなければ
ならない 家康は戦争のない平和な国家を築くために三百年の歴史の布石を打った

いつの時代でも本当の英雄は世のため人の為に尽くした者 歴史は厳然とその因果を裁く
師範の奉仕の精神に触れるたびに、その事を心に刻む

                   2月22日