2014年 春期昇段審査会が2日(日)松栄塾本部道場で行われた。
これには少年部 高橋直人1級と高校進学に伴い一般部に移行した佐藤 天君が
一般10人組手に挑戦した。
天君のお父さん 佐藤友昭さんは一昨年、大腸癌の為、44歳という若さで逝去された。
松栄塾の塾生として真面目に稽古に参加し四年前には夏季合宿にも参加、昇級審査で4級
緑帯になっていた。親子で三人で黒帯 それが佐藤さんの夢であった。
お兄さんの天君は毎週木曜日、型クラスを担当し妹の海さんは金曜日の女子部クラスを担当している
天の少年部の黒帯所得はビデオ持参で観戦されていた。

病院に見舞いに来た旧友にフルコンタクト空手をやっていることを聞かれ
「子供達に当たり前の礼儀を身に付けて欲しくて……靴を揃えるとか、挨拶をするとか
それ以上の成果を与えてもらえて感謝している」
 
亡くなる1日前、一般部の有志が佐藤さんに黒帯を進呈した
「元気になって、これを巻けるようになろう」と……
もう意識も余りないなか、宇野師範代が渡した黒帯をしっかりと胸に抱き
眼に涙を浮かべていたその、姿が皆が見た最後の姿になってしまった。

父が巻けなかった黒帯を、僕が巻きますと中学三年生の天君は10人組手に挑戦した。



人生には越えられないと思える様々な苦難が待ち受けている。
どんな苦難に向かい合おうとも、それを乗り越えて行く確かな力
それを武道によって培えられるように松栄塾はこれからも少年達の魂の教育を
重ねて参りたい。