正に秋晴れと言える10月18日(日) 第40回葛西祭りが行われた。

これには松栄塾少年部三十名と一般部十名の四十名が参加、元気一杯の演武を披露した。
小島町二丁目団地自治会長を兼任している自分は事前の役員会、準備で忙しく
余り練習ができたとは言えなかった。

おまけに今回の板は少年試割り用ではなく、まとめて五十枚購入したら、いつもの1.5倍は
あろうかという厚さであった。
前回の自治会夏祭りでは単純な板割しかしなかったので、貯めていたアイデアをぶつけようと
考えていた。
難易度はかなり高い試割りにも、どれだけの少年達がそれにチャレンジするか
たとえ割れなくても、それをきっかけに成長してくれれば、十分演武は意味を持つ。
前日のリハーサルで、かつて板が割れず涙を呑み、裏の広場で再挑戦、「自分を信じろ、必ず割れる」と激励した子供が「自分を信じろ」という一言と松栄塾生達の輪の中で板を割り、それを生涯の
宝物として最高学府の主席になった話をした。

残念ながら、今日も完遂できなかった子がたくさんいた。
しかしながら、どんなに割れなくても果敢に挑戦した
君たちは間違いなく松栄塾の英雄だと思う。

また久しぶりに女性の試割りを行う事ができ、まだ数ヶ月しか稽古していない鈴木後援会長、高橋婦人部長、重松麻衣子は瓦割りを完遂した。
真面目に稽古を積めば短期間でも確実に強くなることができる松栄塾のメソッドを証明してくれた。

また会長、婦人部長の両息子は見事にバット折りを達成している。 

何の為に試し割を行うのか。

空手の威力を証明するため (証明してその後どうする)
強さを顕示するため    (素手の強さなど武器から見たらたかが知れている 自分は倉本師範と出会って嫌と言うほどその事を思い知らされた)
フルコンタクト空手の凄さを示すため  (試合に出れば示せるはず 残念ながらフルコンルールを最強と思われていたのははるか、20年前のことである)

では、何の為に、お金をかけ痛い思いをしてまで試し割をするのか。

それは「自分との闘いに勝つため」である。

不軽菩薩は人に馬鹿にされ罵倒され、糞味噌に叩かれて始めて菩薩の境地を会得するらしい。
人前で恥を搔き、できなかった悔しさに人知れず涙を流した人は
必ずひとつ上のステージにあがれることであろう。

一番嬉しかったのは、時間が押して、自分がやるはずだった最後の演技ができなくなったのにも関わらず、失敗した子の板を持って、割らせてくれていた「あねらちゃん」の優しさに感動した。

改めて強さとは優しさなんだと実感した葛西祭りであった。


     動画撮影 石田悠真君お父さん