今日は週末に体調を崩して、稽古ができなかった村本陽美選手のパーソナルトレーニングを
致しました。かつて松栄塾のマネージャーに「師範の個人レッスンは定評がある」と誉められましたが
今考えれば現役時代が一番強いのであって、自らが動かなくなると、如何にして動けば試合に勝てるかと嫌が上でも考えます。しかしながら、武道は決して小手先の技術で勝てば良いというものではなく
繰り返し行う気の遠くなるような基本の反復練習が欠かせません。
宮本武蔵を描いた漫画「バカボンド」のなかに武蔵に剣の指南を頼む農民の姿が描かれます。
その際、武蔵を「教えろと言われても、来る日も来る日も剣を振らなければ、何も教えられない」
と答えます。どのような道であっても、手軽に上達する道はありません。
先日も「才能とは続けられることだ」と申しましたが、地道な基本をどこまで飽きずに続けられるか
それは、「千日をもって修(鍛の説もあり)となし、万日を持って練となす」という五輪書の中にも
述べられています。毎日、鍛錬して30年間、それで初めて空手を稽古したと言えるのです。
なんとも厳しく、難解な道ではありますが、それだけ武道は奥が深く、究めるのが困難な道であると
言えましょう。
その修行の一環が「試合」であり、それに勝った負けたと一喜一憂するのは武の道から外れることだと
心を構えて参りましょう。
勝ち負けに決して拘らず、自らの進化と成長の為、毎日の修行に励みたいものです    押忍