道場という場所について
月謝をお支払いいただき、空手を学ぶ。
その点では、塾やスポーツ教室と同じように見えるかもしれません。
しかし、空手をはじめとする武道の道場は、単なる習い事の教室とは少し性質が違います。
道場には、昔から大切にされてきた礼儀や心構え、守るべき態度があります。
それは、はっきりと文章で書かれているものばかりではなく、
先輩から後輩へ、指導者から門下生へと受け継がれてきた
**「不文律(暗黙のルール)」**のようなものでもあります。
時には窮屈に感じることもあるかもしれません。
しかし、そうした規律の中で自分を律し、努力を重ねる経験は、
子どもたちが将来社会に出たとき、どんな環境でも落ち着いて行動できる力につながると考えています。
私自身も、厳しい道場の教えの中で育ちました。
その経験があったからこそ、社会のさまざまな場面でも落ち着いて乗り越える力を身につけることができたと感じています。
もちろん、子どもたちにとって最初からその意味を理解することは簡単ではありません。
ですから、私たちは繰り返し丁寧に伝えていきます。
子どもたちへの指導の中心に置いているのは、
中国の古典『小学』にある
「安詳恭敬(あんしょうきょうけい)」
という言葉です。
これは
- 落ち着いた態度で
- 相手を敬い
- 礼をもって行動する
という意味を持つ、武道の基本となる心構えです。
そして何より大切なのは、大人や指導者自身がその姿を示し続けることだと考えています。
また、成人の道場生や指導者には、
こうした道場の理念や規律を理解し、守る責任があります。
もしそれが守れない場合は、道場として厳しい判断をせざるを得ないこともあります。
特に黒帯は、技術だけでなく人格や姿勢も含めて模範となる立場です。
ただし、そのような立場の人を育て、黒帯を与えたのは私自身です。
最終的な責任は、指導者である私にあると考えています。
これからも、子どもたちが礼儀・忍耐・思いやりを身につけ、
社会の中で立派に成長していけるよう、道場として真剣に指導を続けてまいります。

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